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アーランダ空港がやりがいのある私の職場、SASで働く博多寿子さん


博多寿子(はかた ひさこ)さん 57歳
スカンジナビア航空 チケットオフィス/アーランダ空港
Supervisor(主任)
千葉県生まれ
スウェーデンには1972年より在住。もともと日本のスカンジナビア航空(SAS)で勤務していた博多さんは、ご主人の仕事の関係でストックホルムへ。他のエアラインでの仕事を経て1年後に現職につきました。
 
2003.03.24
勤続30年。博多さんは現在、ストックホルム・アーランダ空港のスカンジナビア航空(SAS)チケットオフィスでスーパーバイザーとして活躍しています。チームリーダーともいえる仕事で、常時12〜13人(交替制)のスタッフのよきアドバイザーであり、責任者。さらに、チーム代表としての社内外との連絡、コーディネーションが彼女の主な仕事です。

― 外国人でありながらスウェーデン人の部下を何人ももつ役職。大変そうですね。

「そうでもないですよ。私はご覧のとおり年季が入っていますし(笑)、スウェーデン人は私のキャリアを大変リスペクトしてくれます。ただ日本では、上司になれば自分のやり方で仕事ができるからラクだろうと思っていましたが、こちらでは逆で、実際に実務をする人が強く、上司になるととても大変です。部下一人ひとりの言うことに耳を傾け、意見を汲みとり、仕事上に反映させなくてはなりません。上司として部下をどれだけうまく扱えるかが非常に重要なのです」

スウェーデン人はプライベートの生活を大切にするあまり、例えば、お客様が大勢列に並んでいても、自分のシフトが終わると残業などせずさっさと帰ってしまうそうです。博多さんも当初は仕事に対する姿勢の違いに戸惑いましたが、今は部下に残業を頼んで断られても「もちろん、わかっているわ。ただ聞いてみただけよ」と軽く受け流すなど、上手に部下とコミュニケートする方法を会得しました。

またスウェーデンの会社では、実務レベルのスタッフでも多くの部分を自分の采配で判断・決定しながら仕事をします。よって、意見が衝突したときなど、たとえスタッフのやり方が間違っていても頭ごなしに叱るわけにはいかないそうです。「ゆっくりとことんまで話し合って、彼らの意見を尊重しながら、それでも私はこう思うということを伝えます。たとえ上司にでもスウェーデン人は言いたいことを言います。私も思ったとおり言って部下を泣かせてしまったこともありますが、スウェーデン人はたとえ喧嘩してもその場限りで後を引きません。しばらく口をきかないとか、そのようなことはまず起こりませんよ」

博多寿子さん、アーランダ空港にて

― 責任が重く、ストレスも多いであろうポジション。ご自分で選ばれたのですか?

「今の仕事は、SASの社内報で欠員募集を知り、応募しました」。スウェーデンの会社では社内で欠員が出た場合、外部からリクルートする前にまず社内で募集を行います。その際によく活用されるのが社内報。大きな部の部長でも海外事務所の責任者でも、自分で履歴書を提出して自由に応募することができます。募集をかけるほうの部署は応募者の面接を行い、給料などを取り決めます。採用となった場合は、応募者の現在の上司との間で、仕事を始める時期などについて話し合います。スウェーデンの会社は、働く本人のやる気、キャリアプランを第一に考えることで知られていますが、この社内リクルート制度もその顕著な例のひとつといえるでしょう。

「スウェーデン人の多くは、このようなシステムを利用して、たとえ大変でもより上のポジションにチャレンジします。自分のキャリアを自分で切り開いていくのです。その際、女性であることはまったく問題ではありません。今日も新聞を見ていたら、スウェーデンの郵便局の経営陣の3人に1人は女性だって書いてありましたよ。スウェーデンでは、女性が上の立場になることは珍しくありません」

オフィスで、部下と仕事の打ち合わせ

― 職場の環境はいかがですか?

「空港というところは、とてもインターナショナルな場。世界中の旅行客が行き来し、さまざまな言語や文化が飛び交っています。空港で働く人も国際色豊か。SASはデンマーク、ノルウェー、スウェーデン3カ国のオフィシャルエアラインで多国籍企業です。仕事上での言葉も英語がメインで、そういう意味では外国人にも働き安い職場だと思います。それから、空港にはドラマがあるとよく言われますよね。私もお客様と応対する仕事を長く続けていますので、これまでにはいろんな出会いを経験しました。ある時、到着便の機長から、日本人女性が機内で泣き続けていて少し様子がおかしいので出迎えてくれとの連絡を受けました。彼女に会って、数時間話を聞き、状態が落ち着いたところで知り合いに引き渡しました。当時オランダで1人で生活していた彼女は心身症気味だったようです。数週間後、日本に帰国した彼女から礼状と花束が届いたときはうれしかったですね」

スウェーデンの会社に自分の確固としたアイデンティティーを作り上げた日本人女性、博多寿子さん。まだまだ働き盛り、これからもうひと活躍といった、元気で前向きな印象を受けました。



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