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<スウェーデンの暮らし>

ストックホルムのおいしいもの事情


桑原裕文(くわばら・ひろふみ)さん
東京、新宿区出身。寿司バーオーナーシェフ
「スウェーデンでは、毎日買い物するどこにでもあるようなスーパーマーケットでも、環境にいいものを揃えて置いてあるから、いちいち自分で考えて選ぶ必要がないね」



寿司バー 
Ki-Mama(きまま)

Bråvallagatan 1
113 36 Stockholm
TEL: +46 8 30 42 37
2002.09.13
海外生活で一番苦労する食べ物。
ストックホルムで自分の寿司バーを開いた日本人寿司職人に、スウェーデンの食事情を聞いてみました。
スウェーデン在住30年を数える桑原さんが、寿司バー『Ki−Mama』をストックホルムにオープンしたのは4年前の1999年。当時スウェーデン人にとっては、まだまだエキゾチックな食べ物だった寿司ですが、数ヶ月も経たないうちに常連客を持つ人気食べ物になりました。

—外国人のオーナーでしかも遠い国の料理の店。お店を出すにあたり、不動産会社との交渉は難しかったのでは?

ぜんぜん問題なかったなあ。会社を設立して特許・登記事務所に登録しただけで、店を借りるのも何の障害もなかったし。あえて言えばキッチンのレイアウトなど、条例で決められているように余裕をもって設計されているか、衛生面の設備のチェックとかそういうことが厳しかっただけですね。

桑原さんがお店を始めてしばらくすると、スウェーデンに寿司ブームがやってきました。街のあちこちに、雨後のたけのこの如く寿司バーが出現。その後寿司という料理自体はスウェーデンの外食産業にしっかりと根を下ろしましたが、ブームにのって開店した中には店を閉めてしまうところもありました。
「それは彼らが真面目にしなかったからだよ」と桑原さん。桑原さんによるとスウェーデン人はなかなかのグルメだそうです。だから70クローネ(約840円)のランチメニューで利益を上げるためだけにサーモンのにぎりとカリフォルニアロールだけを出していたのでは舌の肥えたお客さんを満足させられないのだそうです。

「毎日来てくれる常連さんがおいしそうに食べてくれるのが嬉しい」と桑原さんは、お客さんを喜ばせるためには、努力を惜しみません。しかし、スウェーデンで寿司の食材を手に入れるのは簡単ではありません。桑原さんはストックホルムだけでなく、マルメやヨーテボリなど、色々な町の卸からバラエティに富んだ魚を仕入れています。年に数回はスタッフと交代で、はるばる日本へと、珍味を求めて買出しにも出かけるとか。
最近ようやくスウェーデン市場で取引きされるようになった『あきたこまち』と『コシヒカリ』のサンプルを、早速仕入れたのも味へのこだわりから。日本のお米は外国に輸出されないため、このサンプルは米国カリフォルニアで栽培されたものだそうです。「少々高くつくけれどきっと味はよくなると思う」と現在は炊き方の工夫の最中だそうです。

桑原さんはスウェーデンの食材はとても安全だとおっしゃいます。例えば、マグロ。タイなどのアジアの国から輸入するとマグロの色が異様なほど赤いものが多いそうです。これは炭酸ガス処理されているからだそうで、「スウェーデン人なら、そんなことしようとは、まず思わないだろうな」とおっしゃいます。「スウェーデンでは毎日買い物するどこにでもあるスーパーマーケットでも、環境にいいものを揃えて置いてあるから、いちいち自分で考えて選ぶ必要がないくらいだからね」。

—いつも行列ができるほど繁盛しているお店ですが、休みはたっぷりと取られるそうです。

この夏も6週間お店を閉めてスタッフ全員休みました。お店を再開していつも思うのは、皆ストレスから開放されてリフレッシュしているので、休み直前のようにいらいらすることもなくなるし、新しいアイデアも浮かぶ。冬だって4週間のクリスマス休暇もとるよ。実は、スウェーデン人の常連客にさえ休みが長すぎると文句言われているんだけどね」と笑って話してくれました。普段一生懸命働いている桑原さんやスタッフにとって、夏と冬の長期休暇はなくてはならないパワーの源なのでしょう。

—日本との暮らしと比べて気を付けていることは?

ストックホルムの中心は空き巣がとても多いけれど現金を置かないようにする等、気をつけていれば被害は最小限に抑えられるし、保険会社が非常に協力的ですよ。

スウェーデンの暮らしに、すっかりとけこんでいる桑原さんですが、スウェーデンの第一印象「革ジャンを着ていても寒い」は今でも体に残っているそうです。
将来は、焼き鳥なども出す日本風レストランを持つことだと夢を語ってくれた桑原さん。彼持ち前の食に対するこだわりで、スウェーデンのグルメ達を満足させる素敵なお店ができることでしょう。

桑原裕文さんのプロフィール:

スウェーデンに来るきっかけは桑原さんが中学生の頃に見た一枚の写真。一人の若者が山の中の道路をサイクリングしている写真を見て、いつか絶対行くぞと心に誓ったそうです。
23歳になった頃、スウェーデンでアルバイトをしながら住まないかという話を聞きつけ、ナホトカ経由で陸路スウェーデンにたどり着いたそうです。皿洗い、見習いを経て30年間、ストックホルムのいろいろなキッチンで働き続け、1999年、独立。寿司バー『Ki−Mama』をストックホルム市街地にオープン。現在に至る。 グルメ雑誌などで、2000年、2001年と続けて表彰された。

桑原さんに、日本からのお土産リクエストを聞いてみました。スウェーデン在住の日本人を訪ねる方、御参考まで。
ホタルイカの沖漬け・酒盗・からすみ



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