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任天堂の厚い信頼を勝ち取った
スウェーデンの販売会社バーグサラ
投資事例
ファミリーコンピュータ
写真提供 任天堂株式会社

投資事例
ニンテンドーDSiの前身
ゲーム&ウオッチ
©1980 Nintendo

> バーグサラ社
2009.6.2
スウェーデンの販売会社バーグサラと、日本の大手ゲーム機メーカー任天堂とのビジネスは、握手から始まりました。そして、その握手は両社の交わした唯一の契約であり続けました。

バーグサラ社は、イェーテボリ郊外のクングスバッカに本社を置く、従業員約45人の企業で、ラトビア、リトアニア、エストニアのバルト3国を含む北欧市場で任天堂ゲーム機を一手に販売しています。決して大規模ではないスウェーデンの販売会社が、いまや従業員1600人を超える大企業・任天堂の信頼をどうして勝ち取れたのでしょうか。「重要なのは忠実と信頼であり、会社の規模ではない」と言うバーグサラの創業者兼CEO、オヴェ・バーグステン氏が、創業間もない頃を振り返りながら、同社が任天堂のファミリーコンピュータ(ファミコン)を販売するに至るまでの経緯を語りました。

成功のチャンスを3倍に産官学連携の三重らせんモデル
バーグサラ社CEO
オヴェ・バーグステン氏

バーグサラと任天堂との関係は、現在、人気のポータブルゲーム機「ニンテンドーDSi」の前身である「ゲーム&ウォッチ」を、バーグサラが北欧で売り出した1981年にさかのぼります。ゲーム産業全体が黎明期にあった1970年代、いくつかのゲーム機が発売されました。しかし、どれも十分な市場シェアを獲得することができず、数年後にはゲーム機市場そのものが一種の崩壊状態に陥ったのです。ゲーム機は非常に高価な上、1つのゲーム機では1つのゲームしか遊べなかったのが大きな原因でした。ちょうど同じ頃、家庭用のパソコンが登場し、ゲーム機よりも格段に汎用性が高いことから、子どもやティーンエージャーの関心はそちらに向かっていきました。

「任天堂がファミコンを日本で発売したのは1983年。私たちは欧州向け製品の発売を任天堂に働きかけましたが、欧州のゲーム市場は崩壊していたため、説得は難しいものでした。任天堂がNES(ニンテンドー・エンターテインメント・システム)の名称でファミコンを欧州に売り出したのは、それから3年後の1986年のことです。ようやくファミコンを入手すると、私たちはすぐにこのゲーム機がほかのものとは全く違うことがわかりました。プレーをした誰もが夢中になってしまいましたね」とバーグステン氏は言います。

氏の粘り強さは、数カ月後に実を結びました。大型トイストアを手がかりに中小玩具店へと販売チャンネルを広げたバーグサラは、北欧を中心に80万台を超えるファミコンを売り上げ、欧州が巨大市場となる可能性を秘めていることを任天堂に気づかせたのです。以降、バーグサラと任天堂は、互いにとって有益な協力関係をゆっくりと築いていきました。 現在バーグサラはスウェーデンのゲーム機市場で52パーセントの市場シェアを持っています。同社がビジネスというゲームを勝ち抜いたことは間違いありません。

バーグサラは、さらなるお客様の獲得とビジネスの拡大を考えています。そのために、一般の人が立ち寄る場所、例えばスーパーマーケットや書店などにも進出していく予定です。また、エストニアやアイスランドなどで、各地域の企業とジョイントベンチャーを開始する計画もあります。「スウェーデンはスカンジナビア地域の中心として、理想的な場所だと感じています。近郊の地域への輸送には最適なロケーションですし、あらゆるスカンジナビアの言葉が通じるので、コミュニケーションも図りやすいのです」と、バーグステン氏は語っています。

バーグサラがここまで成功した理由の1つに挙げられるのが、同社が早くから導入した、ある市場戦略です。任天堂ゲーム機の人気が欧州で高まるにつれ、バーグサラは在庫の確保に苦労する時も出てきました。この問題の解決のために同社が行ったのは、子どもたちを対象にした会員制クラブ「クラブニンテンドー」の発足でした。バーグステン氏は、すべての製品に同クラブへの入会申込書を封入する許可を任天堂から得て、ゲーム機やゲームソフトの新製品情報を載せたニュースレターを毎月、会員に向けて発行しました。この会員カードは、瞬く間に北欧全土の学校で大ブームとなり、ピーク時の会員数はスウェーデンだけで40万人以上に達したのです。

成功のチャンスを3倍に産官学連携の三重らせんモデル
写真提供 任天堂株式会社

「ちょうどスウェーデン全土にクレジットカードが普及し始めた時期で、あらゆる種類の会員カードが巷にあふれていましたが、子ども用のカードはありませんでした。子どもは当社にとって最大のターゲットであり、子どもたちの目には会員カードが非常にかっこよく映ったのだと思います」とバーグステン氏は振り返ります。

バーグサラの次なる挑戦は、ゲーム産業全体の課題と同様、ゲーム機を大人も楽しめるものにすることです。ソニーの「プレイステーション」やマイクロソフトの「Xボックス360」との競争が激化する中、ユーザーの心をつかむことは今後ますます重要になってくるでしょう。任天堂が発売した「Wii」は、昼間は子どもたちが「スーパーマリオ」で遊ぶゲーム機として、子どもが寝た後は両親が、トレーニングやフィットネスのツールとして利用できることを実証しました。また「ニンテンドーDSi」は、料理のレシピ、語学の学習などに使われるケースも増えてきています。

 



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