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大きな可能性を秘めるスウェーデンのICT企業

左:ISA本部ICTマネージャー
フレデリック・ギズレ

右:ISA東京 林秀樹
2007.12.14
エリクソンに代表されるスウェーデンのICT(Information & Communication Technology)企業は、世界の通信技術および通信サービスの分野でイニシアチブを発揮してきました。約100年にわたり、スウェーデンの電気通信事業者とシステム開発業者は、大半の国際標準において多大に貢献してきたのです。発展を続けるスウェーデンのICT業界の現状について、ISA本部ICTマネージャーのフレデリック・ギズレとISA東京の林秀樹がご紹介いたします。

ISA本部 ICTマネージャー フレデリック・ギズレ

スウェーデンのICT分野は非常に進んでいます。スウェーデンは革新的な技術者を多く抱える非常にクリエイティブな国であり、ICT分野に対する外国投資額の国際比較で常にトップに立っています。

スウェーデンがICT分野で最先端に立ち続けている理由のひとつが、500社以上の企業がワイヤレス産業の新しい技術とアプリケーションの開発に取り組む、ストックホルム北部のシスタにあるモバイルバレーの存在でしょう。シスタは極めて突出した地区です。ICT企業がこれほど密集しているエリアは、世界でも類を見ません。日本企業の皆さまが投資された場合、研究開発やジョイントベンチャー、通常の買収など、その形態に関わらず、数年のうちに大きな利益を生む可能性があると思います。

また、モバイルバレーへの投資をさらに魅力的にしているのが、スウェーデン市場が欧州の文化とデザインを代表しているという点です。新しい発想を抵抗なく受け入れるというスウェーデン人気質に加え、スウェーデン市場で新製品をテストすることにより、企業は他の欧州諸国でどのような反応が出るのかの目安を得ることができるのです。実際に、ニコン、コカ・コーラ、リーバイスといった企業が、全欧、ときには全世界で新商品を発売する前に、スウェーデンで製品テストを行っています。スウェーデンが魅力的な製品テスト市場となったのは、まずスウェーデンは小さな国であるという事実が、スウェーデン人の謙虚な国民性をつくってきたこと。そしてこの謙虚さに旺盛な好奇心と高水準の技術的ノウハウが加わったことが挙げられます。

将来に目を向けると、スウェーデンと日本が共同で事業を行う機会は数多くあります。特に興味深い分野として挙げられるのが、高齢化問題に関するものです。高齢化は日本のみならず、すでにスウェーデンでもさまざまな影響を及ぼしており、将来にわたって大きな社会問題となっていく分野です。
現在、スウェーデンと日本は、いわゆるヘルス・ロボティクスに関しては、異なる方向へ歩みを進めています。スウェーデンでは、ヘルスケア分野のロボットは、ケアにかかる時間を短縮するために開発が進められています。一方日本では、ケアを行う人間の作業をいかにロボットに代替えさせるかに主眼が置かれています。この両方の力を研究開発で合体させることで、携わるすべての人に素晴らしい機会をもたらすことができると思うのです。

スウェーデンが優れているもうひとつの点は、企業、行政機関、大学や学術機関の産官学連携の長い伝統です。この伝統が生み出す環境のなかで、新しく革新的な発想が育まれるのです。また、スウェーデンでICTが発達した理由については、何十年にもわたるエリクソンとテリアの協業(テリアはかつての国営独占通信事業社テレヴェルケットが1990年代に民営化されてできた会社)によるところが大きいでしょう。

ISA東京 林秀樹

日本企業にとって、スウェーデンは北欧市場でビジネスを行う窓口としてだけではなく、日本の技術を持ち込むことによって、現地のコンピテンスの高い企業に優れた日本向けの製品を開発されることも可能になります。持続成長型のシステムを持つスウェーデンのICT業界に関するご相談をお待ち申し上げます。



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