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ITS分野で協業を促進、スウェーデンと日本の
自動車産業


ISA東京 常任顧問 森 道郎



ISA本部 ビジネス開発ディレクター
ロルフ・リーシング

2007.03.29

2007年は「ISA PROJECT」と題したこのコーナーで、スウェーデン大使館投資部(ISA東京)が手がけるプロジェクト分野の旬な話題やISAの活動状況などをお伝えしていきます。初回は、ISA東京の常任顧問である森 道郎とISA本部のビジネス開発ディレクター、ロルフ・リーシングが、自動車産業プロジェクトをご紹介します。

ISA東京 常任顧問 森 道郎

現地で6年間自動車ビジネスに携わってきた経験から、スウェーデンの自動車産業のキーワードは“環境”と“安全”であることを学びました。その根底には、人を大切にするというスウェーデンの精神が反映されており、初期のころから安全性に最も重点を置いて開発を進めてきました。たとえば、世界で初めて3点式シートベルトを発明したのも、人形を使った衝突テストを始めたのもスウェーデンです。車両安全に関する基準が非常に厳しく、欧州をはじめ日本においても小型車の生産が増加していますが、スウェーデンでは安全性の面から大型車が主流です。またこれには、非常に寒い国であるため、車内に閉じ込められた際の居住性が高いという意味もあります。

自動車分野における日本とスウェーデンの協力関係では、デンソー、アルプス電気、三菱エレクトリック・オートモーティブ、富士機工、矢崎総業、ヤマハ発動機など、コンポーネントメーカーとボルボやスカニア、サーブといったスウェーデンの自動車大手との共同開発が盛んに行われています。特に現在、自動車の電子化が急速に進んでおり、知能化自動車安全システム(Intelligent Vehicle Safety Systems, IVSS)や道路交通情報通信システム(Vehicle Information and Communication System, VICS)、ETC (Electronic Toll Collection System)などの高度道路交通システム、すなわち(Intelligent Transport Systems, ITS)分野が注目を集めています。

また、スウェーデンは飲酒運転対策の分野でも脚光を浴びています。2010年からは商業車(トラック)へのアルコールロックシステムの搭載を義務づける方向で検討が進んでおり、同分野におけるベンチャー企業も着々と育っています。飲酒運転は近年、罰則が厳しくなるなど、日本においても大きな社会問題となっていますので、同分野においても今後スウェーデン―日本間の協業や提携の可能性があるでしょう。

スウェーデンでは、交通事故死傷者数をゼロにする「ビジョン・ゼロ」という方針が1997年に議会で決議されました。一方日本では、2010年に交通事故死を5500名以下にするという目標が設定されました。交通安全への意識が高まっている両国において、今後ますます産業界の交流が進むことを期待しています。2009年には、年1回開催されているITSの世界会議がスウェーデンで開催されます。今後重要性を増していく分野ですので、特に同分野における両国の交流を積極的にサポートしていきたいと思っています。

ISA本部 ビジネス開発ディレクター
ロルフ・リーシング

スウェーデンには、世界規模の自動車産業クラスターが形成されています。ボルボとサーブは、世界をリードする車両安全技術の開発をスウェーデンにて進めており、アクティブセーフティやハイブリッド技術、バイオ燃料といった発展著しい分野において、それぞれの親会社であるフォードとGMを牽引しています。大型トラック業界のトップ企業であるボルボ・トラックとスカニアも、同様に先端技術を開発しています。

現在、自動車産業クラスター全体で、新時代の安全でクリーンな技術の開発に取り組んでいます。これは自動車業界の持続可能性にかかわっており、信頼性の低い安全システムや飲酒運転、ガソリン消費量の多いエンジンなどはすべて、自動車業界が早急に解決しなければならない課題です。

スウェーデンでは、本来ライバル同士である上記の乗用車・トラックメーカー大手4社が共同で、信頼性の高い電子プラットフォームと飲酒運転に焦点を絞ったIVSSの開発を進めています。連携した4社は、世界をリードする乗用車・トラックメーカーファミリーの誕生を思わせますが、このコラボレーションは世界中の自動車産業やエレクトロニクス産業に広く、開かれています。

スウェーデンの自動車メーカーはすべて、バイオ燃料エンジンやプラグイン・ハイブリッド技術など、新しいハイブリッドコンセプトに熱心に取り組んでいます。2004年にボルボは理想的な未来のパワートレインを搭載できるユニークなコンセプトカー「ボルボ3CC」を発表しました。また2006年にボルボ・トラックは大型車向けの高効率ハイブリッドソリューションを導入し、ディーゼルエンジンと電気エンジンを組み合わせることで燃料消費量を35パーセント削減しました。さらにスウェーデンは、従来のディーゼル燃料に代わるバイオ燃料の開発においても世界をリードしています。

スウェーデンの自動車産業クラスターは、将来的にフォードやGMと取引したいと考える企業に、すばらしいビジネスチャンスを提供しています。ボルボやサーブのような先駆企業と共に、フォードやGM向けに最先端のシステムや技術を開発することも可能です。またスウェーデンは、大型トラック分野の先進サプライヤーにとって、最適な立地条件を備えています。

ISAの自動車産業チームは、数多くのグローバル企業に対し、スウェーデンの自動車産業クラスターにおけるビジネス開発のお手伝いをしています。日本企業の皆様にとって、スウェーデンでのビジネス開発は顧客基盤の拡大や新しい技術パートナー獲得のすばらしい機会となるかもしれません。より詳しい情報は、ISA東京にお問い合わせください。

 

対スウェーデン投資事例

●GM(General Motors Corporation、米国)

トロルヘッタンに研究開発センターを設立。軽量材料デザイン、衝突耐性、スマートカー、先進生産工学のための研究開発センターを開設。資本金1億スウェーデンクローネで約100人の新規雇用を創出。

●フォード(Ford Motor Company、米国)

ボルボ(Volvo Car Corporation)に投資。ハイブリッド技術研究のための自社研究開発センターを開設。投資額は5年間で14億米ドル。

●ヒュンダイモービス(Hyundai Mobis、韓国)

冬季ドライブテストセンターを開設。ヒュンダイ・キア自動車グループトップのエンジニアリング企業で、韓国自動車産業のTier-1サプライヤーとして最も重要な企業であるヒュンダイモービスは、カーテスト社(Cartest AB)と協同で自社の冬季ドライブテストセンターを開設。センターの建設とテスト施設の開設により新たに10名の雇用が発生し、ヒュンダイモービスの投資額は3200万スウェーデンクローネに上る。

●ドラクスルマイヤー(Dräxlmaier、ドイツ)

研究開発センターを開設。2005年12月に開催されたボルボによるワークショップの後、ドイツの大手自動車部品メーカーで、インテリア、トリム、ダッシュボード、ドアなどの製造を手掛けるドラクスルマイヤーは、イェーテボリのアーレンダルに研究開発と営業所を合わせた施設を開設することを決定した。すでに研究開発プロジェクトマネージャーが1名雇用されており、もうひとりが今年の夏からスウェーデンで業務を開始する予定。同社は、2006年にボルボから開発を前提とした案件を受注したことをうけ、1年後に5名、2年後には15名の技術者の雇用を予定している。



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