「美人は多いが、税金が非常に高い国」。あなたは、スウェーデンにそんな印象を持っていませんか？　前半は当たっているかもしれませんが、後半は偏見です。少なくとも、事業関連の税金に関しては間違っています。人の思い込みを変えるのは難しいものです。それは、人が国に対して抱く印象についても同じこと。7月1日より、スウェーデン大使館投資部（ISA東京）の産業参事官に就任したハンス G. ロディーネルは、まさにこの難題に取り組もうとしています。

新任とはいえ、ロディーネルは来日したばかりではありません。初来日は23年前。富士通のシステムエンジニアとして、日本でのキャリアをスタートしました。その後、複数の在日大手スウェーデン企業を経験し、スウェーデン大使館商務部で商務参事官も務めました。

このような経歴を持つロディーネルは、単にスウェーデン投資全般を促進する以上の期待を担っていると感じています。
「ISAは外国企業がスウェーデンでビジネス展開する上で、ドアオープナー的役割を果たしています。私たちの仕事は、日本企業のスウェーデンにおけるビジネス展開をサポートすることです」。

スウェーデンの国土は日本と比較すると25パーセントも大きいのですが、人口は東京都にも及びません。しかし、この市場規模の小ささがスウェーデンの強みのひとつであると、ロディーネルは考えています。
「産業化の初期段階から常に、スウェーデン企業は国外市場に目を向けざるを得ませんでした。その結果、今日ではスウェーデンのGNPのおよそ50パーセントを輸出が占めています。一方、日本では10パーセントにも達しません。このため、スウェーデンは国際ビジネスに関して豊富な経験があり、概して日本企業より多くのノウハウを持っています。国際的な事業拡大のために、多くの日本企業が必要としているものを有しているスウェーデンは、より大きな欧州市場への格好の足がかりとなるのです」。

ロディーネルは、多くの分野に日本からの投資を増やすチャンスがあると感じています。
「スウェーデンは多くの革新を生み出してきましたが、それらを市場向けの製品に仕立てるのは、あまり得意ではありませんでした。このような特質から見ても、スウェーデンと日本はお互いに良きパートナーになれる要素があります」。
具体的に、ISAは次のような分野でスウェーデンが高い競争力を有すると考えています。

最後に、ロディーネルはISA産業参事官としての抱負を次のように語りました。 「スウェーデンの有用性を伝えていくのも大切ですが、ここ日本でニーズとチャンスを見つけることも、同じように重要です。この点において、私は他の人にはない力を発揮できると考えています。私には外交官の経歴はありません。しかし、日本のビジネス界では、輸入業、輸出業、そしてビジネス開発業において20年以上にわたる豊富な経験があります。私のやり方は極めて実践的です。ISA東京として行う活動のすべてが、クライアントの皆さまのビジネスに役立つものであると、確信しています」。

ハンス G. ロディーネル(Hans G. Rhodiner)
略歴

●2005〜　　スウェーデン大使館投資部　産業参事官

●2001-2005 株式会社マンソン　代表取締役社長
（神戸市、整形外科用生体埋め込み器具、手術機器、診断機器など医療用具の輸入販売）

●1998-2001 スウェーデン大使館商務部　商務参事官
（東京都、スウェーデン企業および組織の日本市場参入。日本企業との事業連携の補助促進）

●1995-1998　ノルデンパック株式会社　代表取締役社長
（東京都、ノルデンパックAB（スウェーデン　カルマル市）製、包装機械の販売、サービス）

●1988-1994　スウェーデン大使館商務部　新規事業開拓商務官
（東京都、スウェーデン企業及び組織の日本市場参入のための事業開拓）

●1982-1988　富士通株式会社　シニアシステムエンジニア
（東京都、自社ソフトウェア開発及び他社製ソフトウェアコンバージョンプロジェクト）


現在兼任中の主な役職
●在日スウェーデン商工会議所　副理事長
●関西日本スウェーデン協会　事務局長


学歴
●ルンド大学（スウェーデン　ルンド市）工学部
●コンピュータサイエンス専攻
●理学修士（1979年卒業）


家族
●妻（知子）、子供3人

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