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アルフレッド・ノーベル
アルフレッド・ノーベル
Alfred Nobel(1833-96)
© The Royal Library
 

2003.12.15

 

スウェーデンが輩出した発明家とその偉業を紹介してきた2003年のPeopleコーナー。最後を飾るのはノーベル賞の生みの親、世界で最も名の知れたスウェーデン人の発明家、アルフレッド・ノーベルです。

アルフレッド・ノーベルは1833年、技術者であったイマニュエル・ノーベルの息子として誕生しました。アルフレッドとその兄弟たちは、学校には行かず、著名な大学教授による英才教育を受けました。人文科学から自然科学、語学、文学、哲学に至るまで一流の教育を受けたアルフレッドが、特に興味を抱いた分野が化学でした。やがてその興味は、後にノーベルに巨万の富をもたらすダイナマイトの原料となるニトログリセリンに向かいます。

当時、ニトログリセリンは激しい爆発力を持つことが知られていましたが、その制御は不可能とされ、運搬には危険が伴いました。ノーベルはこの爆薬を安全に、完全な制御下で爆発させる研究に没頭し、ケイ藻土に吸収させる方法にたどり着きました。
ケイ藻土はニトログリセリンを吸収するとペースト状になって固体に成形することができ、取り扱いや運搬が容易になります。こうして誕生した画期的な爆薬は、ギリシャ語で「力」を意味するダイナマイトと名付けられました。

その生涯において、355件もの特許を取得した不世出の発明家・研究者であったノーベルは、有能な実業家でもありました。ノーベルは、スウェーデン語の他にロシア語・フランス語・英語・ドイツ語を自在に操り、電話やファックスのない時代に自らの足で世界各国の工場を飛び回り、事業を拡大していきました。この国際性は、受賞者の国籍に関係なく授与するというノーベル賞の基本理念に反映されています。また、ノーベルの文学への畏敬の念や、平和活動への賛助の精神を文学賞、平和賞の設置に見ることができます。

ストックホルム市庁舎内の青の間。ここでノーベル賞の晩餐会が催される。
ノーベル賞は、ノーベルの遺言に基づいて設立されました。遺言には、莫大な財産の大部分を基金とし、毎年5部門において人類のために多大な貢献をした人物に、賞として授与するといった内容が簡潔に記されていました。選考には、物理学賞と化学賞はスウェーデン王立科学アカデミー、生理・医学賞はカロリンスカ研究所、文学賞はスウェーデン・アカデミー、平和賞はノルウェー国会が当たると指定されていたものの、財産の管理、受賞者の選考方法などの詳細は一切記されておらず、賞としての制度を確立するために4年の歳月が費やされました。

同じく市庁舎内の黄金の間。晩餐会後、ここで舞踏会が行なわれる。
現在、ノーベルの遺産はノーベル財団によって管理・運営され、その運用状況によって、毎年の賞金額が決定されます。1946年以降は免税となり、ノーベルが死去した1896年当時、3100万スウェーデン・クローネ(SEK)であった元本は、2001年には39億SEKにまで増大し、各賞への賞金は1000万SEKに上りました。
選考に当たっては、部門ごとに設置されたノーベル委員会が、推薦権を与える人物(過去の受賞者全員を含む)を選出し、その人物からの推薦状を基に慎重に審査します。各分野につき3名まで受賞することができ、平和賞のみ団体にも授与されます。
受賞の日は、ノーベルの命日である12月10日に決定されました。賞は平和賞のみノルウェーのオスロ、その他の賞はストックホルムにて授与されます。ストックホルムの受賞式ではスウェーデン国王が直々に賞を手渡し、授賞式後には盛大な晩餐会および舞踏会が開かれます。

ノーベル賞は、その選考方法や賞自体の存在意義に関し、これまで数々の批判を受けてきましたが、世界で最も名誉ある市民賞という威信は、今日に至るまで損なわれていません。世界初の国際的な賞であることや、賞金の高さもその理由のひとつではありますが、何よりも、この賞がノーベルの理想の下に設立されたこと、さらにはその意志を損なわないように多大な労力を割いてノーベル賞を運営してきた人々の功績によるところが大きいと言えるでしょう。



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