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> スウェーデン政治の透明性を守る
公文書の情報開示原則


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スウェーデン政治の透明性を守る
公文書の情報開示原則
スウェーデンの国会議事堂の議会場

スウェーデンの国会議事堂の議会場
© Self-taken
2010.12.15
スウェーデンの政治は透明性の高さで知られていますが、これまでに政治家の不正がまったくなかったわけではありません。ただ、他の国々に比べてスウェーデンの政治スキャンダルはいくらか小規模のようです。その理由の一つを知るためには、1766年に遡る必要があります。

スウェーデンの政治家の不正として有名なものに、社会民主労働党書記長(当時)だったモナ・サリーン氏の一件があります。彼女は国会議員の公共クレジットカードを使って家族用におむつとチョコレートを買い、摘発されました。その結果、政界からの一時引退を余儀なくされ、圧勝が期待されていた党首選挙から脱落。このスキャンダルは10年以上続いてきた彼女のキャリアの道を閉ざし、人々に政治的な業績よりも「チョコレート好き」という記憶の方をより強く植え付けることとなりました。

ストックホルム市役所
情報公開の国、スウェーデンでは誰でもすべての公文書を見ることができます。写真はストックホルム市役所

旅費のごまかしや税金による過剰接待などによって、キャリアの道から脱線したり、政治の世界から消え去ったりした政治家はほかにもいます。ビール一杯、もしくはワイン一杯以上は、スウェーデンの政治家にとってタブーなのです。 公共放送のラジオやTVの受信料を滞納することも同様です。2006年に文化大臣に就任したセシリア・ステーゲ・シロー氏は、これが原因となって就任後わずか8日で辞任に追い込まれ、痛みをもって支払いの必要性を知ることとなりました。
さらに短命だったのは、政治家兼ジャーナリストのマリア・ボレリウス氏。彼女は貿易大臣の職を5日間務めた後、雇用税を納付せずに家政婦を雇用したという過去に足下をすくわれました。この過失は、氏が閣僚だったからこそより一層致命的なものとなりました。
一方、現場を押さえられた有名なスウェーデン人政治家のリストもあります。著名なのはシグヴァルド・マリヤシン氏。労働組合のリーダーからオーレブロ郡の知事となった氏は、虚偽の経費報告書と二重経費請求によって起訴されました。1996年、長期にわたる調査を経て無罪は立証されましたが、名声を取り戻すことはできませんでした。「火のないところに煙は立たない」というのがスウェーデン社会の見識だったのです。

とはいえこうしたスキャンダルは、他の国々に比べれば小規模と言えるでしょう。一度、買春の容疑をかけられた元法務大臣の事件が、確たる証拠がないままにすべてのニュース紙の一面を賑わせたことがあります。日本やイタリアで同じケースが起きた場合、同様の紙面スペースが与えられるかどうかは甚だ疑わしいものです。
スウェーデンの政治家が他の国々の政治家より正直だというわけではありません。しかし彼らは、少なくとも政治家としてより狭い道を歩こうと努めているように見えます。経費報告書を作成する際にざっくばらんな人はいますが、私利私欲から故意に報告を操作する人は極めて少ないと言えます。

逆に慎重さが要求される際に、考えが甘いケースは少なくありません。この例として、最近起きたラインフェルト首相の穏健党幹事長、ソフィア・アルケルステン氏を取り上げます。アルケルステン氏は国際石油会社から経費全額支給でフランスへ招待され、それに応じました。この行動は後に人々から批判されましたが、氏は「国会議員が情報収集のために、かつ新しいものを学ぶために旅行することは重要です」と述べて、辞職を拒みました。
数多くの非難のなかで、アーケルステン氏の行動を支持するアナリストや作家もたくさんいました。彼らによれば、スウェーデンの政界に認識の変化が生まれているといいます。1970〜80年代に禁じられていたものが、今日では適切な行為とされているのです。

政治活動の真実を知りたいと思うジャーナリストや市民にとっての有力な武器は、「公文書の情報開示原則」です。これはすべての市民に公文書を見る権利を与えるもので、政治家の経費報告書も含まれます。原則を支えているのは、「政治活動には税金が使われるのだから、納税者には領収書を見る権利がある」という理論。これまでに新聞や雑誌を賑わせてきたスクープの多くが、この原則から明らかにされました。
一足の靴と数時間、それだけが知識に飢えた人に必要なものです。一番いいのは、市役所から始めることでしょう。地方自治体で起こっていることは、市役所で受け取る郵便物から知ることができるからです。郵便物はすべての市民が読むことができ、それを止めることは誰にもできません。

「公文書の情報開示原則」は、1766年に制定された「出版自由法」の支柱の一本です。この種の法律としては世界で最も古いものに数えられます。もう一本の柱は「告発の権利」と呼ばれ、誰もが刑事告発のリスクなしに、メディアに情報(秘密情報も含む)を渡す権利を持つというものです。通告者が誰であるかを調査することは法で禁じられています。
政治家などが「出版自由法」に対する規制案を提起したことは何度かありますが、ほとんどは実現していません。これまでに導入された唯一の制限は児童ポルノの配信禁止で、ほとんどのスウェーデン人が喜んで支持した制限です。 納税者の知る権利を守る「公文書の情報開示原則」。これが、世界でもトップレベルを誇る、スウェーデンの政治の透明性を守る要になっています。

 



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