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> スウェーデン発、注目のデザイン集団
オーシャンオブザベーションズが日本に上陸


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スウェーデン発、注目のデザイン集団
オーシャンオブザベーションズが
日本に上陸
スウェーデン産業の今

オーシャンオブザベーションズ創設者でありCEO のソフィア・スヴァンテソン氏(写真左)と、日本支社長兼プロジェクト責任者のマヤコ・ファーゲルフィエル氏
> オーシャンオブザベーションズ
> 第10回 Swedish ICT/Wireless Technology Conference

2010.12.15
Ocean Observations(オーシャンオブザベーションズ)は、デジタルデザインを手掛けるスウェーデンの小さな新興企業です。日本から遥か遠くにあるその企業が、日本の最大手通信企業の一社、KDDIの興味を惹き、一大プロジェクトに参画することになりました。

1999年、テクノロジーを学んでいた若いスウェーデン人学生、ソフィア・スヴァンテソン氏が修士論文作成のために来日しました。そこで彼女の人生は一変しました。2年後、氏はオーシャンオブザベーションズというデザイン会社を共同設立。事業は成功を収め、初めての国外オフィスを設立すべく東京に戻って来ました。

スウェーデン産業の今
スマートフォン「IS03」

オーシャンオブザベーションズの専門分野はデジタル機器のデザインです。特に携帯電話のユーザインターフェース(画面)デザインを得意とし、2001年の設立後すぐにサムスンと大型契約を結び、3G携帯電話の1機種のデザインを手掛けました。この契約の後も若いスウェーデンデザイナーたちは立ち止まることなく、ノキア、ソニー・エリクソン、モトローラ、ボーダフォンなど、次々に数多くの大手企業と仕事を重ねていきました。
自分たちの始まりを、スヴァンテソン氏はこう語ります。
「iモードサービスが始まった時、私はちょうど日本にいました。そして、人々が携帯電話を使って、場所を問わずにさまざまなサービスを利用しているのを目の当たりにし、将来、同じ状況がヨーロッパに訪れることを確信しました。しかし当時スウェーデンでは誰もその可能性に気づいておらず、会社を興すチャンスがあると思ったのです」
「iモードは、90年代後半にヨーロッパに強い関心を呼び起こしました。携帯電話を、話すという以外の様々な用途で使用できるようになった――これはまさに革新と言えます。けれどもiモードは世界的には広まりませんでした。日本以外の国にとってiモードは、創造性を刺激するという他に何の意味も持たなかったのです。そしてそれこそが、オーシャンオブザベーションズのような会社が日本市場へ参入するチャンスになっています。現在、日本企業の多くが外国から刺激を受けています。私たちはヨーロッパと米国で業務に携わってきました。それが今、私たちが日本市場に参入できる地盤を築いてくれたのです」

オーシャンオブザベーションズが手掛けるのは、携帯電話だけではありません。今日、タッチスクリーンは多くの製品に使われており、同社のデザインもプロ用大型オーブンのユーザインターフェースや原子炉コントロールパネルのインターフェースなど、幅広い製品に採用されています。またオーシャンオブザベーションズの夢の一つは、TOTOのスマートバスルームやスマートトイレのサービスインターフェースをデザインすることだと言います。

スウェーデン産業の今
オーシャンオブザベーションズ東京支社のメンバーたち

東京オフィスのトップであるマヤコ・ ファーゲルフィエル氏は、日本人の母親とスウェーデン人の父親のもと、スウェーデンで育ちました。今年の初秋、東京でのビジネスを始めるにあたって彼女は、ストックホルムから4人のデザイナーを連れてきました。群雄割拠のデザイン産業で、オーシャンオブザベーションズのチャンスはどこにあるのでしょうか。
「私たちは技術的なノウハウと共に、新しい創造性をもたらすことができるでしょう。実際、私たちのような会社は多くありません。日本の多くのデザイン会社はグラフィック部分に注目し、目を見張るような効果を狙ったデザインを生み出そうとしています。一方、私たちは製品の使われ方により注意を傾けます。そのため、より簡単で、より楽しく、より直感的に使えるよう、情報の流れや製品の扱い方を完全に再構築することもあります」
そう語る氏は、携帯電話についての考え方をこう話します。
「日本の携帯電話会社は技術的な面に注視し、どれだけ新しい機能を詰め込めるかを考えます。しかし、消費者はもっと感情で動いているというのが私たちの考え方です。顕著な例がiPhoneでしょう。技術的には、市場にある最も高度な携帯電話には及びませんが、消費者はそれを使用することによって得られる感覚や経験を楽しんでいるのです」

スヴァンテソン氏にとって、日本で仕事をすることは長年の夢でした。KDDIと仕事をすることになったいきさつを、彼女はこう振り返ります。
「私たちが初めてプレゼンテーションの場を持ったのは、2005年のことです。この年と翌年、私たちはKDDIにクリエイティブコンセプトを紹介しミーティングを行いました。どちらも手応えは感じたものの、具体的なオファーはありませんでした。そこで私たちはミーティングを日本語で行い、アプローチの方法を模索するためにコンサルタントの力を借りました。その結果、2008年についにプロジェクトのコンペに招待され、クオリティを証明することができたのです。それがプロジェクトのオファーにつながりました」
スウェーデン産業の今
発売前、原宿でIS03のユーザースタディが行われました
仕事の内容は、2010年の11月後半から市場に投入されたAndroid(アンドロイド:Googleのモバイル端末向けOS)搭載のスマートフォン「IS03」のユーザインターフェースでした。KDDIにとって非常に重要な意味を持つ製品です。プロジェクト・マネージャーを務めたファーゲルフィエル氏はこう言います。
「KDDIはすべての日本企業と同様に要求が厳しく、望むものを明確に主張します。けれども、一緒に働いてとても刺激的で、非常に見る目のあるクライアントでもあります。心から気に入ったものに対しては、拍手が沸き起こることもあるんですよ」

最後にスヴァンテソン氏は、社名の由来を説明してくれました。
「社名を考えていたとき、私はミッチ・アルボムの『モリー先生との火曜日』を読んでいました。この本には、死に瀕している教授がかつての教え子に語った話がいくつかの章に綴られています。その中の一つ、海岸で砕ける波は、単に一つの波ではなく海洋の一部であるという話に強く引かれました。当時の私にとってそれは、世界に対する非常に魅力的な見方でした。会社にも同じことが言えます。私たちは、デザインを始める前に、全体を理解する必要があるのです」


※ 2010年11月9日、スウェーデン大使館と日本エリクソンおよびスウェーデンの通信技術企業の共催により「第10回 Swedish ICT/Wireless Technology Conference」が開催されました。スマートフォンが生み出すビジネスやサービスなどについて各社がプレゼンを行う中、オーシャンオブザベーションズも参加。当日の様子は下記URLからムービーでご覧いただけます。(オーシャンオブザベーションズは03:33:10頃から)
第10回 Swedish ICT/Wireless Technology Conference



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