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世界のトップを走る
スウェーデン電子政府

©Richard Ryan

> UN E-GOVERNMENT SURVEY 2008
> VERVA
2008.6.23
インターネットなどの情報技術は、今や人々の生活にすっかり浸透し、生活を送るうえで欠かせないツールとなっています。民間企業だけではなく、政府や行政も情報技術のインフラを整え、ネットワークやデータベースを市民に提供するようになってきています。その最先端をいくのがスウェーデン。国連が発表した『2008年度・電子政府調査』を基に、スウェーデンの現状をご紹介します。

スウェーデンは、国連の『2008年度・電子政府調査』で、電子政府への準備がいちばん進んでいる国のトップに挙げられました。調査の指標としてインフラ整備、情報の統合化、電子政府への改革の取り組みがあり、民間と等しく行政も積極的にIT化を推進するスウェーデンは、いずれにおいても優れていると評価されました。2位と3位はデンマークとノルウェーで、これらの北欧諸国も、サービスの利便性、トランザクション処理、分かりやすさ、そしてブロードバンドの充実度などから他国を引き離しました。ちなみにトップ35まではヨーロッパ諸国が70%を占めています。


スウェーデン政府の電子化により、多くの人々の生活が便利になっている
©Hans Bjurling

ウェブサイトを評価した結果をみると、スウェーデンはデンマークに次いで2位となっています。この評価でポイントとなるのは、トップページから必要な情報へのアクセスのしやすさ、公共サービスのオンライン利用レベル、アプリケーションの提供度、それぞれのコンテンツがシームレスに統合されてEサービスが利用しやすい点となります。

それではスウェーデン政府が行っている電子行政サービスの例をいくつか挙げてみましょう。政府は2001年に、市民がいつでも、どこでも行政にアクセスし、サービスを受けられることを目標にした「24時間行政」(Vägledningen 24-tim marswe bben)の構想を打ち出しています。確定申告、養育手当て、就職案内などのサービス、納税額の承認、税関手続きなどを携帯電話から行えるサービスなどがすでに実施されています。さらに簡潔で分かりやすく、快適な生活を享受できるサービスを充実させるべく、現在もシステム開発が進められています。医療サービスでは、ヘルスケア・ネットワークのシューネット(Sjunet)があります。病院、医療機関、ホームケアをIPネットワークで結び、患者のデータや写真、薬などの情報を共有できるようになっています。例えば処方箋を電子ジャーナルに書き込むと薬局にEメールが自動送信されて、迅速に薬を渡すことができるサービス、高度な医療技術が必要な場合にオンラインを通じて資料提供を呼びかけたり、MRスキャンのイメージを送信して専門家に診断してもらえるサービスなどがあります。

スウェーデンでは18〜64歳までの3分の2以上にあたる人々が、自宅にPCを持っています。オンラインバンキングやインターネットショッピングなどインターネットを利用したサービスはもはや当たり前になっており、IT普及率も世界でトップクラスです。ここまで普及したのは、政府が国民にパソコン取得を奨励するための「PC法」で免税措置をとったこと、公共セクター自らがIT市場に積極的に参入して国全体のIT化を促したこと、IT環境が整いやすい規模の国であること、冬は家で過ごす時間が長いことなど、さまざまな要因が挙げられます。国連の調査結果によると、電子化は環境さえ整えば、大幅な経費削減になるだけではなく、サービス向上、選択肢の広がり、業務の簡素化、個人レベルで行うケアなどが可能になります。高齢化により税負担がさらに重くなるといわれているスウェーデンでは、経費削減という点においても、行政の電子化は大きな役割を担っているのです。

 



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