一口に「ベリー」といっても、その種類はさまざま。イチゴやブルーベリー、ラズベリーはもちろんのこと、日本ではあまり見かけることのない種類もあります。クラウドベリーもそのひとつ。その輝くような黄色の実はビタミンCを豊富に含み、寒冷地にのみ生育しているため「森の黄金」と呼ばれるほど希少価値の高いベリーです。赤い小さな実のリンゴンベリーもスウェーデンではよく使われるベリーで、血糖値の安定に効果のあるペクチンを含んでいます。見た目のかわいらしさだけでなく、栄養価が高いこともベリーの魅力のひとつでしょう。

クラウドベリー
©Patrick Trågärdh |
ベリーはスーパーや市場で買うこともできますが、天然のベリーを自分で摘むのがスウェーデン流。サマーハウスで夏の休暇を過ごす時や、森へピクニックに出かける時にベリー摘みを楽しみます。この楽しみが“自然享受権”として保障されているのもスウェーデンのユニークな点。私有地内でも節度を守り、自然環境に配慮すれば誰でも自由にベリーやキノコ、花などを摘んだりできるのです。

クラウドベリーのデザート
©Björn Lindberg |
ベリーの食べ方もバラエティーに富んでいます。タルトやケーキの材料、ジュースやリキュールとしても親しまれています。オーツ麦とリンゴンベリーで作るお粥は、牛乳や砂糖をかけて食べるデザート。また、一度は試してみたいのが肉料理や魚料理に添えられるベリーのソースです。ミートボールには酸味のあるリンゴンベリーソース、サーモンには甘さを生かしたクラウドベリーソースが適しています。
ジャムやジュースなど、ベリーを原料とした製品の生産も盛んです。スウェーデンでは、自家製はもちろん市販のジャムへの需要も高く、世界でも3本の指に入るジャム消費大国となっています。スウェーデン産のベリーを原料とした製品は、日本の市場にも入ってきています。日本ではブルーベリーのアントシアニン色素に注目した健康食品の人気が高まっていますが、スウェーデン産のブルーベリーを原料とする製品もあります。

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