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スウェーデン企業の技術で
機能性食品原料を大幅増産

代表取締役社長
西田 光徳氏


執行役員 国際部長
内山 慎也氏

> 富士化学工業株式会社

2007.03.29
富士化学工業株式会社は2003年、機能性食品原料であるアスタキサンチンの製造子会社として、スウェーデン企業を傘下に収めました。このスウェーデン子会社BioReal (Sweden) AB(バイオリールスウェーデン)では、富士化学工業が製造するアスタキサンチン製品の原料製造と、欧州向け製品の販売を手掛けています。

富士化学工業株式会社は1946年創業。主力事業は原薬の製造・販売・受託加工サービスで、特に40年以上の歴史を持つ独自技術、医薬品のスプレードライ加工を強みとしています。天然アスタキサンチン素材「アスタリール」の製造は、1999年に開始。子会社の株式会社ナチュリルを通して、機能性食品や化粧品といった最終製品の販売も行っています。富士化学工業では今後、アスタキサンチンを医薬品と並ぶ主力事業に育てていく計画です。


富士化学工業のアスタキサンチン製品群

アスタキサンチンは鮭や鯛、エビやカニなどの甲殻類が持つ赤い色素で、研究結果によりビタミンEの約1000倍、β−カロテンの約40倍もの強力な抗酸化作用を有することが分かっており、健康食品として近年、注目を集めています。現在、アスタキサンチンは含有量の多さと加工のしやすさから、ヘマトコッカスと呼ばれる藻から抽出されています。培養初期のヘマトコッカスは緑色をしていますが、強い光や栄養欠乏下で、大量のアスタキサンチンを生成し、赤色に変化します。これを乾燥させたものがアスタリールのバルク(バイオマス)で、富士化学工業ではこの状態で海外の子会社から輸入し、富山県の自社工場で抽出、加工してオイルやパウダーを製造しています。


バイオリールのバイオドーム

富士化学工業のアスタキサンチン事業は、ハワイの100パーセント子会社、バイオリール社で採用したバイオドーム方式からスタートしました。アスタキサンチンの製造は、ヘマトコッカス藻を開放型の池で培養するオープンポンド方式が主流でしたが、同方式だと汚染の問題が避けられません。富士化学工業が開発したバイオドーム方式では、直径1.2mのドームに密閉して培養するため、汚染の心配がなく、効率的に太陽光を取り入れることができます。


バイオリールスウェーデンのタンク培養

富士化学工業では当初、スウェーデンのアスタカロテン社(現バイオリールスウェーデン) より、ハワイの子会社によるアスタキサンチン生産量の不足分を購入していました。アスタカロテンのタンク培養技術とは、室内に設置した培養タンクに24時間光を当てて光合成を促す方法で、バイオドームよりも短期間で大量にアスタキサンチンを生産することができます。これは、電気代の安いスウェーデンだからこそ可能な製法です。

この縁で、富士化学工業はアスタカロテンが競売にかけられたときに名乗りを上げました。競合他社が技術や製品のみの買収を望んだのに対し、富士化学工業は会社をそっくりそのまま買い受けるという条件を提示し、買収に成功しました。富士化学工業 執行役員 国際部長の内山慎也さんは、このような条件を提示した理由を次のように語っています。
「アスタカロテンが持つ、技術や特許などの財産に魅力を感じました。また、お付き合いしていくなかで、アスタカロテンの社員が非常に優秀かつ実直であることが分かり、この人たちとなら一緒に仕事をしていけると思ったのです」

現在バイオリール社は富士化学工業向けに、スウェーデンとハワイ、3対1の割合でアスタキサンチン素材を供給しています。アスタキサンチンは今、特に日本において注目を集めており、現在年間60億円の市場が5年で6倍の300億円になると予想されています。この大幅な需要増に応えるため、富士化学工業ではすでに約200万米ドルを投入して増強したスウェーデン工場に、さらに投資していく計画です。

サプリメントに対する規制がない日本において、医薬品のバックグラウンドを持つ富士化学工業は、クリニカルデータのある確かな製品しか製造しないというスタンスで、他社との差別化を図っています。同社の製品は、非常に厳しい規制を持つスウェーデンにおいてもサプリメントとして認められ、販売されています。

 




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