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消費者が事業者選択、スウェーデンの電力事業
日本の約4分の1の価格
「規制緩和に加えて、スウェーデンは水力発電の資源となる水量に恵まれているのも、安く供給できる大きな要因だと思います」と土野さんは語る。
2002.06.15
スウェーデンは、電力自由化先進国と呼ばれる欧米諸国の中でも、他国をリードしていると言われます。産業競争力を強める要因のひとつ、安い電力料金を提供するスウェーデンの電力事情とは。
「スウェーデンでは、工場などを建設する時、複数の電力会社と値段交渉をします」と、スウェーデンの大手発電会社Birka Energi ABでアナリストとして活躍する土野恵実さん。日本では、2000年3月に、大規模工場向けなどの特別高圧分野の自由化が実施されましたが、まだほんの一部です。スウェーデンでは、工場などの企業だけでなく、一般家庭でも自由に事業者を選択できます。

日本の約4分の1の電力価格

電力会社が選択できるということは、当然、価格競争が存在し、この競争がスウェーデンの電力料金を低くおさえる要因となっています。 土野さんによると、スウェーデンの電力料金は日本と比べると、「住宅向けでほぼ2分の1、産業向けになると、ほぼ4分の1」。電力を大量に消費する産業に与えるメリットは明らかです。 スウェーデンでは、1996年に規制緩和があり、電力会社は、発電、送電部門に分けられ(もともと分かれていた会社もありましたが)、消費者が、発電会社を自由に選択できるようになりました。送電は、それぞれの地域の送電会社が取り扱っています。

恵まれた水資源

「規制緩和に加えて、スウェーデンは水力発電の資源となる水量に恵まれているのも、安く供給できる大きな要因だと思います」と土野さんが語る通り、スウェーデンの電力のほぼ半数を占める水力発電は、日本で半分を占めている火力発電に比べて、コストがかからないという利点があります。それに加えて、クリーンで、持続可能なエネルギーが提供可能になります。

大きな市場

スウェーデンの電力の特徴は、その市場が、スウェーデン国内だけでなく、フィンランド、ノルウェー、デンマークにまたがったNordpoolと呼ばれる大きな市場である点です。この大きな市場がスウェーデンの安い電力料金につながっています。

電力の安定供給体制

スウェーデンでは、Vattenfall AB、Sydkraft AB、そして、土野さんが働く、Birka Energi ABの3社が全電力の90%を供給しています。現在スウェーデンでは、合併によって、一つの電力会社の規模が大きくなっていく傾向があります。Birka Energi ABも、以前はストックホルム市とフィンランドの大手エネルギー会社Fortumが50%ずつ所有していましたが、今年の2月に、Fortumが100%所有し、Fortumグループに属することになりました。これは、電力は一般消費材と異なり、人々の生活に直結している大切なライフラインであるため、安定供給体制の維持が重要であるという背景に関連しています。また発電所の建設には、莫大な費用がかかります。合併によって、効率の良い投資や生産が可能になり、消費者へ安い価格で提供することができます。

クリーンな電力、持続可能なエネルギー

スウェーデンでは、国民投票で、原子力発電を段階的に廃止していくことが可決されました。原子炉を停止する時、政府が電力会社に課している条件が2点あります。
それは、化石燃料など資源に限りが有る燃料に頼らない発電、バイオマス発電などの持続可能なエネルギーに転換すること、情報・知識を活用して消費エネルギーを節約することです。 人間と自然との関係を真剣に考える姿勢、そして、情報を活用することによって消費エネルギーを少なくするという考え方。これらを実践できるスウェーデンの社会構造こそが、スウェーデンの電力事業から日本が得る一番大切なものかもしれません。



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