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デジタルペンで描く、コミュニケーションの未来像


アノト日本株式会社 代表取締役社長
山中照雄さん
> アノト日本ウェブサイト
www.anoto.co.jp



マクセルアノト方式デジタルペン
> マクセル、アノト方式デジタルペン「デジタルペンセット」をコンシューマ向けに新発売
2004.06.15
活字でのデジタルコミュニケーションに、手書きの持つぬくもりを―。スウェーデン発のIT企業、アノトが追求しているのは、アナログとデジタルが融合した世界です。日本に事業所を開設してから4年。いよいよ日本で本格的にビジネスを展開していこうとしている同社の戦略や今後の抱負について、アノト日本株式会社社長、山中照雄さんに話をうかがいました。

アノトは1999年、現ルンド大学の名誉博士である創業者が30代の若さで数人の仲間と共に立ち上げた企業です。最初に開発したのは、図書館の資料を一部分だけすぐにコピーできるようにするためのペン型スキャナーでした。このペンには、翻訳機能も搭載されています。その後、このペンを使ってもっと何かできないかと思ったアノトは、紙上で位置認識が可能になれば、用途はさらに広がると考えました。位置認識は、科学の世界で長年研究されてきたにもかかわらず、なかなか実用化に至らなかった技術でした。

この夢の技術を実現に導いたのが、アノトの発想の転換でした。アノトは、ペンよりも紙に注目したのです。小さなドットで構成される特殊なパターンを普通の紙に印刷することで、紙上のどこに何を書いても、それが全パターンのどの位置にあるかを正確に特定できるようにしました。このドットパターンは、アノト機能の中核技術とも言えるものです。

デジタルペンには取り込んだパターンを読み込むカメラや、ペンの軌跡や書き順、スピード、筆圧などを瞬時に認識できるイメージプロセッサ、それらを記憶するメモリなどを搭載しました。パソコンや携帯に取り込む通信機能のインターフェースには、USBとBluetooth無線方式を採用。これらのツールを使用したアノト機能の用途は無限に広がります。

 
 
デジタルペンで、専用紙に描いた絵。 描き心地はまったく普通のペンです。
パソコンに取り込んだ画像。 線の色や太さも変えることができます。

手書きの納品書も・・・ この通り、すぐにデジタル化できます。

このように画期的な技術を開発したアノトは、起業の翌年という早期の段階で日本に事業所を開設しました。その理由は、アジアにおける重要市場であることももちろんですが、手書きの文化が深く根付いている日本なら、アノト技術への関心も高いだろうと考えたためです。

アノト機能を紹介された日本企業は、一様にその革新的な技術に感嘆の声を上げました。しかし、ビジネス展開の段階になると、紙、ペン、システムといったクロスインダストリー的な事業となるため、即製品化というわけにはいきません。また、ユーザーの要求が非常に厳しい日本では、製品の完成度を十分に高める必要があります。それでも、この4年間に日本でのパートナー企業は着実に増加していき、日立製作所、マクセル、大日本印刷、コクヨ、NTTコムウェアなどのキーパートナーとなる大手企業を10数社得るまでになりました。さらに、アノト機能の推進と標準化を目的としたコンソーシアムも結成され、本格的な市場投入へと着実に歩を進めてきました。

アノト日本、社長の山中照雄さんは、日本におけるビジネスに関し、次のようにコメントしています。

「新しい技術が日本で根付くには、少なくとも5年かかります。今年で4年目となるアノト日本のビジネスは、今年から来年にかけて本格的に離陸することになるでしょう。100以上のプロジェクトが動き始めますよ」

アノト日本スタッフの柳田さん(左)と朝岡さん(右)

日本におけるビジネス展開の手始めとして、アノトが注目したのは教育分野。高い信頼性が要求される市場です。アノト日本は2004年4月より、大日本印刷、マクセル、ワオ・コーポレーションと共同でアノト方式デジタルペンと専用紙を用い、テストの採点をスピードアップする教育支援サービスを開始しました(詳細)。同分野でまず実績を築いてから医療、物流などのビジネス分野を中心に製品・サービスを展開し、最終的には最大の狙いであるコンシューマー分野へと普及させていく計画です。

4年の歳月を経て、ようやく日本でコマーシャルサービス化されるアノト技術。その先には、もっと大きな夢があります。
「無味乾燥な活字では伝わらない、豊かな感情や思い入れを伝えていきたいですね。これらは、人間が存在する限り必ず残っていくものですから。将来は、だれもがポケットにアノト方式のデジタルペンをしのばせ、それとは意識せずに使う日が来るといいですね。意外とそれは早く実現するかもしれません」と、山中さん。

最先端の技術を結集したアノトのデジタルペンが描く未来には、昔からずっと変わることのない、人間らしいコミュニケーションがあるようです。



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