イェーテボリ市のウォーターフロント地区「ノラエルブストランデン」。かつて造船業で栄えた同地区は、1975年のオイルショックによって地域経済破綻の危機に瀕して以降、25年の長きにわたり、再生への道を模索してきた結果、「知識集約型産業を基軸とした人間のための都市再生」という理念にたどり着きました。現在、同地区はIT関連のベンチャー企業や外資系企業、エリクソンなどの先端企業がひしめくサイエンスパークを形成しています。
本書は、川崎市の自治体職員として、自ら地域行政に関わってきた著者の目から見た「都市の破綻と再生の物語」です。スウェーデンの一都市の変遷を通じ、日本の地域行政の在り方や方向性を探る筆者の真摯な姿勢がうかがえます。