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冬季テストと車両安全技術
自動車産業におけるスウェーデンの強み


スウェーデン大使館投資部
常任顧問 番匠谷 淳一



スウェーデン大使館投資部
顧問 河合八朗
2004.12.15
長く厳しい冬と、IT先進国。一見まったく関連性のないこれらスウェーデンの特徴が、ある共通の分野で強みとなります。それは、自動車業界。スウェーデンは世界随一の冬季テスト場を有するほか、最近ではIVSS(Intelligent Vehicle Safety System:知能化自動車安全システム)の開発において、業界をリードしています。2004年最後のISA活動状況では、ISA東京で同分野を担当しているベテラン顧問2人に話を聞きました。

自動車は長期間の使用に耐えると同時に、何代もの所有者にわたって乗員に安全・快適さを提供し続けなければなりません。このため、新車として市場に送り出す前に、開発の段階から厳密かつ長期間にわたるさまざまな試験が行われます。そのうちのひとつが、冬季テストです。零下30度以下の低温状態で、各部品が正常に作動するか、雪上やすべりやすい氷上でブレーキをかけたときに横滑りや旋回をしないかなどをテストします。

「スウェーデン最北部の北極圏近辺では、自動車の冬季テストに適した零下30度以下の極低温期間が5カ月以上続きます。欧州の自動車メーカーはもちろんのこと、制御機器やタイヤメーカーのほとんどがスウェーデンで冬季テストを行っており、その歴史は30年にも及びます」と語るのは、ISA東京 常任顧問、番匠谷淳一です。役員を務めた日本精工時代に自動車部品関連の仕事を経験。会長まで務めたエレクトロラックス・ジャパンでは、本社のエレクトロラックスがある時期までシートベルトやエアバックの製造を手掛けていたことなどから、退職後、業界経験を活かし、ISA東京で日本とスウェーデンの自動車産業を繋ぐ架け橋となっています。

スウェーデンの同分野における最大の強みは、前述の地理的条件ももちろんですが、冬季テスト専門のサービスプロバイダーがいること。熟練した専門業者が各種試験路の整備、開発用ライセンスプレートの取得、試験の代行、ホテルの予約まで請け負い、テストが円滑に進む手助けをしています。

現在、日本の自動車メーカーのほとんどは北海道で冬季テストを行っています。その多くはスウェーデンでの冬季テストも経験していますが、発注先の制御機器メーカーの招聘によるもので、自前のテストではありません。番匠谷は今後の抱負を次のように語ります。
「日本の自動車メーカーがすべて、スウェーデンで自前のテストするようになるといいですね。機器メーカーとの共同試験や北海道での試験を全部やめて、ということではありません。たとえば、北海道なら冬季テストに適した気候になるのは2カ月程度ですが、それ以上の長期間にわたる複雑なテストなど、スウェーデンでなければ難しいものを試験していただければと思います」

30年の歴史を持つ冬季テストとは対照的に、IVSSは今年始まったばかりの新しいプロジェクト。担当は、ISA東京 顧問の河合八朗です。松下電器産業に30数年在籍し、スウェーデンにある同社の販売会社にて勤務した経験を活かし、2000年よりISAでICT関連のプロジェクトにかかわっています。

ボルボに代表されるように、スウェーデンは自動車の安全性に重きを置く国。年間の自動車による死亡事故数は、世界でも最低レベルです。安全性へのこだわりをさらに確かなものにしようと、スウェーデンは2004年から5年計画で「ビジョン・ゼロ」という目標を掲げました。スウェーデン国内における交通事故による死亡者をゼロにしようという壮大な計画です。

IVSSプロジェクトは、この目標達成への足がかりとしてスタートしました。スウェーデン国内に留まらず、全世界の車関連メーカーが参画する同プロジェクトの焦点は、車に知能を持たせることにより、事故を未然に防ぐアクティブセイフティ。究極的な目的は、運転手が居眠りしても、衝突を避けるシステムの開発です。
「IVSSは、自動車本体の機械、コンピュータ、半導体、無線通信の各技術を組み合わせて推進していくプロジェクトです。これらすべての分野において、スウェーデンは強い。少なくとも欧州ではトップです。この強みを活かし、スウェーデンは同プロジェクトのリーダーシップを取ろうとしているのです」と語る河合の役目は、IVSSの日本における啓蒙です。すでに国内の自動車部品メーカー数社が参加を検討しているそうです。

世界有数の自動車先進国である日本。自動車産業におけるスウェーデンの利点を知り、さらなる発展のために有効活用してもらいたい。それが、2人のベテラン顧問、共通の願いです。



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