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「パパの月」の活用で
男性の育児休暇取得が促進
「パパの月」の活用で男性の育児休暇取得が促進

© Lena Granefelt/Johnér
2011.06.17
出産と育児に関する国のサポートが手厚いことで知られるスウェーデン。日本ではまだまだ低い男性の育児休暇取得率にしても、スウェーデンでは8割以上という数字が出ています。男性が育児に積極的に関わる背景には、「パパの月」「ママの月」と呼ばれる育児休暇制度があります。

日数を片方の親に固定し、休暇取得を促進
2011年4月、SEBのヘンリック・マイトルマン氏がダーゲンスインダストリ(スウェーデンの日刊経済紙)に転職したというニュースが取りあげられました。
マイトルマン氏は以前から経済学や株取引に興味があったとのことですが、必ずしもこの転職が昇給につながるというわけではありません。このことについて、氏はこう語っています。
「お金がすべてではありません。転職したことで、私は子どもと朝食をとる時間を持てるようになりました。財政的には以前の方が豊かでしたが、今は自分の選択に満足しています」

スウェーデンでは、男性が育児に積極的に関わることで知られています。また近年はその取得日数も少しずつ延びていると言います。
出産と育児に対する国のサポートが手厚いスウェーデンでは、日本より遥かに長い育児休暇が両親それぞれに保障され、取得率も非常に高くなっています。2003年のデータでは女性が97.1%、男性が88.7%。一方、日本では女性が90%強なのに対し、男性は1.2%(2008年度)となっており、その差は歴然です。
しかし実はスウェーデンにおいても、今の親世代の一世代前となる90年代前半には、男性の取得日数はそれほど長くはないのが実情でした。やはり、男性にとって育児で長期間職場を離れるのは難しいとされていたのです。それが少しずつ変わってきた背景には、行政の手厚いサポート制度があります。中でも、「パパの月・ママの月」と呼ばれる育児期間の導入が、大いに関係しています。

「パパの月」の活用で男性の育児休暇取得が促進
© BABYBJÖRN AB, Sweden 2005

「ママの月(mammamånad)」、「パパの月(pappamånad)」とは、父親と母親が子どもを授かってから取得できる育児休暇の月(日数)のこと。スウェーデンでは子どもが8歳を迎えるまで、所得保障を受けながら育児のために休暇をとれる期間が、480日間(16カ月分)保障されています。これは両親あわせての数字で、父親と母親それぞれに240日間ずつ保障されている計算となります。特筆すべきは、そのうちの60日分はそれぞれの親のものとして固定されている点。つまり、240日のうち180日分は父親から母親に、もしくは母親から父親に譲ることができますが、60日分はそれぞれが取得しなければ無効になってしまいます。
この、譲ることのできない期間をそれぞれ「ママの月」、「パパの月」と呼びます。この制度の導入が、スウェーデンの父親の育児休暇取得率を格段に押し上げることになりました。

女性は社会の重要な資源
同制度が初めて導入されたのは、1995年のこと。この年の改訂で、1人の子どもに対して両親に450日の育児休暇が認められるようになり、そのうちの30日分がそれぞれの親に固定されます。これがちょうど1カ月分だったことから、「パパの月」「ママの月」という言葉が生まれました。そして2002年に行われた第二次改革で、それぞれの親に固定される日数が60日へと増やされ、同時に育児休暇の日数そのものも夫婦で480日に拡大されます。
固定されている60日間には、“絶対に取得しなければならない”という強制力はありません。しかし、やはり「せっかくとれるのだから無駄にしてはもったいない」と、次第に取得が促進されるようになったのです。

スウェーデンの行政がこうした制度を充実させている背景には、福祉社会を実現する上でのキーワードとして掲げる「完全雇用」という概念があります。人口約930万人という小さな国にとって、女性の労働力は重要な資源です。出産・育児へのサポートを充実させ、女性の社会参加を促し、一人でも多くの人に就業機会を与えることは、社会の存続と成長に直結します。
スウェーデンが少子・高齢化への対応に着手し女性の社会参加支援を始めたのは、他国に大きく先駆けた1930年代のこと。1970年代以降は、「男女とも仕事、家庭、社会における活動に関して平等な権利・義務・可能性を有すること」という明確な目標を掲げた社会政策を展開しています。

少子化がますます深刻化する日本。“イクメン男子”と呼ばれる、育児に積極的に関わる男性も増えていますが、それでも男性の育児休暇取得率は非常に低く、それが女性の出産を妨げる要因のひとつとなっています。今後進むべき社会の方向性を考える上で、現在のスウェーデンの政策は、一つのヒントになりそうです。

 



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