• カール・フォン・リンネ

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スウェーデンの自然を愛した偉大な科学者カール・フォン・リンネ

“分類学の父”としてスウェーデン国内だけでなく、世界的にもその名が知られているカール・フォン・リンネ。今年2007年は、リンネの生誕300周年に当たります。偉大な科学者として、また自国とその自然への愛にあふれた旅行記を著した作家として、数多くの功績を残したリンネの足跡をたどります。

スウェーデンで最も著名な科学者であるリンネは、1707年にスモーランド地方南部のロースフルトで、牧師の長男として生まれました。美しい自然に恵まれた環境と、その自然をこよなく愛する両親の影響を受け、リンネは植物への関心を高めていきます。高等学校に進学すると、リンネの才能を見出した物理学教師により、牧師の道ではなく医学を学ぶことを勧められます。

高等学校を卒業後、ルンド大学で医学を専攻。その後、ウプサラ大学に転校し、ウプサラ地方、ラップランド地方、ダーラナ地方へ探検旅行に出かけ、独学で研究を進めていきます。さらに、1735年にはオランダ・ハーデルワイク大学で医学博士課程を修了、同年から3年かけてデンマーク、ドイツ、オランダ、イギリス、フランス各地を旅行して回っています。

この欧州各国を旅行中に、リンネは当時活躍していた数多くの植物学者に出会いました。こうした出会いが彼のアイデアに刺激を与え、『自然の体系(Systema naturae)』をはじめとする数多くの著書の出版へとつながっていったのです。1738年にはスウェーデンに帰国し、翌39年には婚約者サラ=リサ・モレアと結婚。41年にはウプサラ大学で教授職のポストを得ています。

リンネの最も偉大な功績は、植物相と動物相を識別・記録する方法を発展させ、その分類体系に基づき約7700種の植物と4400種の動物を命名したことです。この功績により、古代ローマの偉大な博物学者にちなんで、リンネは“北欧のプリニウス”と称されています。

また、研究以外にも数多くの仕事を精力的にこなしています。ウプサラ大学の学長、スウェーデン王立アカデミーの会長、ストックホルムでは国王夫妻専属の植物学者としての役目も果たしました。

さらに、リンネの研究プロジェクトは、日本にも縁のあるカール・ペーテル・ツュンベリをはじめとする弟子達により、世界各国へと広がっていきます。1778年、ウプサラで死去した後も、彼の功績は欧州諸国をはじめ世界の植物学、動物学、分類学の発展に貢献してきました。

現在、一般のスウェーデン人にとってはその学問的功績よりリンネの書いた旅行記のほうが身近で人気があります。豊かな専門知識と旺盛な好奇心に彩られたリンネの旅行記は、自然に対するスウェーデン人独特の情感や愛情にあふれ、古典的名著として今もなお、愛され続けています。