• 『ピッピの生みの親
  • アストリッド・リンドグレーン』
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『長くつ下のピッピ』の生みの親、アストリッド・リンドグレーンさん亡くなる。(94歳)

『長くつ下のピッピ』の生みの親で知られる、スウェーデンで最も有名な女性児童文学者、アストリッド・リンドグレーンさんが2002年1月28日にストックホルムで、亡くなりました。

スウェーデン人に、「好きな児童文学は」と聞くと、アストリッド・リンドグレーンの作品が必ず出てくるほど、スウェーデンで愛されている作家でした。それだけに、リンドグレーン死去のニュースは、スウェーデンのメディアで大きく取り上げられました。日本でも、『長くつ下のピッピ』や『ロッタちゃん』シリーズと言えば、子供の頃に読んだ記憶がある人が多いのではないでしょうか。これまでに約70の言語に翻訳されているほど、彼女の主人公達は、スウェーデンだけでなく、世界中で活躍しています。

リンドグレーンが生まれたのは、スウェーデン南部スモーランドのヴィンメルビーという小さな村で、おてんばな少女時代をその小さな村で過ごしました。しかしその小さな村で、既婚者の男性の子供を妊娠するというスキャンダルを起こし、コペンハーゲンへ渡ります。その後、秘書として働いたり、児童書の出版社で働いたりと、その生活は決して平坦なものではなかったようです。そのリンドグレーンを有名にしたのは、1945年に発表された『長くつ下のピッピ』でした。

娘のカリンが思い付いたという『長くつ下のピッピ』(Pippi L?ngstrump)の主人公、ピッピは、世界一強い女の子という設定です。両親はおらず、猿の『ニルソン氏』と馬と楽しく暮らしています。台所の床いっぱいにクッキーの生地をのばしてみたり、自分の家に押し入ったどろぼうと夜通しポルカを踊ってみたりと、ピッピの行動はいつも破天荒です。

そんな行動にもかかわらず、ピッピが作品の中に登場するピッピの友達はもちろん、読者から愛されているのは、ピッピには、先入観やルールがなく、思いついたことを迷いなくやってのける力が備わっているからではないでしょうか。ピッピのさりげない一言や行動に、まるでリンドグレーン自身の価値観が表現されているようで、はっとさせられることがあります。波乱万丈な人生を送ったリンドグレーンだからこそ、その作品に深みがでるのでしょう。またそれが子供だけでなく、多くの大人までも魅了する理由ではないでしょうか。

アストリッド・リンドグレーン氏

(Astrid Lindgren、女性児童文学者)

1月28日 ストックホルムで死去、94歳

1907年11月 スウェーデン南部、スモーランド地方ヴィンメルビー生まれ。

主な作品: 『長くつ下のピッピ』『やかまし村のこどもたち』『ミオよ、わたしのミオ』『やねの上のカールソン』『ロッタちゃんのひっこし』『わたしたちの島で』『はるかな国の兄妹』『いたずらっ子マディケン』『いたずらっ子エーミール』『山賊の娘ローニャ』『さすらいの孤児ラスムス』(国際アンデルセン賞を受賞1956年)